台湾電脳遊戯 「軒轅劍肆」あらすじ1
古代中国、秦の始皇帝が圧倒的な威力を誇る機関(いわゆる巨大メカ)を使って中国全土を統一し、焚書坑儒(言論統制や思想家への弾圧)や強権政治・厳格な法治国家のもとで、人々が大変苦しんでいた頃のこと……。
始皇帝の迫害の手は、墨子の教え「兼愛非攻」を守る集団・墨家にも及んでいました。
兄弟子たちや多くの人々が犠牲になっていく事に耐えかねた主人公・水鏡ちゃんは、始皇帝に対抗するため、墨家の始祖が禁じた機関術の復活を提唱します。 墨家の女指導者・桑紋錦(通称墨家夫人)は、墨家の滅亡をも覚悟の上で、あくまでも始祖の禁を守ろうとし、水鏡ちゃんに墨家の思想や戦術・機関術の秘密が書かれた竹簡(天書)を託しますが、水鏡ちゃんの祖国とは違う国の古い文字で書かれているため、彼女には読めません。 彼女は竹簡が読める者を探すため、こっそり墨家の本拠地から出てしまいます。
その道中・博浪沙にて、彼女は始皇帝の暗殺計画に遭遇しますが、その計画は始皇帝の側に控える老方士(=術者)赤松子の不思議な力により失敗し、彼女も追われる事に……。 逃げる途中、首謀者の青年・姫良(後の張良)さんを助けた水鏡ちゃん。 始皇帝に滅ぼされた祖国の復興を願う姫良さんが天書を読める事を知った彼女は、姉弟子の屈嫺さんを加えた三人で韓の国の遺跡を経て洛陽に向かう事になるのでした。
洛陽にて始皇帝の情報を得た一行。 彼は仙人になるために、東海濱の之罘山でたったひとり無防備な状態で過ごすというのです。 始皇帝を暗殺するための絶好のチャンス!
姫良さんの提案で、彼女たちは先に、洛陽付近に隠されているという機関を探しに行く事にし、無事「機関鳶」(鳥型の飛行機)を発見するのですが、そこで姫良さんの始皇帝に対する考え方の変化を目の当たりにして、水鏡ちゃんはショックを受けてしまいます。
彼は、民衆の平穏な生活や墨家の兼愛非攻の精神を生かすために、今は始皇帝の天下統一を受け入れるべきであり、始皇帝を倒せば天下が再び乱れてしまうと言うのです。 彼は天書に書かれた思想や天書内の壺中仙の石碑に書かれた天下観に触れるうちに、考え方を大きく変えていたのでした。
姫良さんの考え方にどうしても納得がいかない水鏡ちゃん。 彼の忠告にも耳を貸さず、隙を見て、たった一人で東海濱へ向けて旅立ってしまいます……。
<★ここまでの響喜お気に入りポイント>
注・この先、引用した原文の後の()内の日本語は、拙訳です。 思いっきり意訳になっています。 御了承下さいませ。 訳文を付ける行為は、権利関係に引っ掛かりそうなので、あまりやりたくはないのですが……、好きな作品の、内容を伝えたい一心でやっています。 引用や訳はなるべく最低限度で収めるように心掛けていますが、問題がある場合はお知らせ下さい。 当該部分を削除させて頂きます。
・歴史上の人物がパーティメンバーです! それも中国史で1、2位を争う超人気軍師・張良先生! 『史記』の彼とは少々イメージ違いますが……でもそこがまた良いです。 これぞ伝奇物の醍醐味(だいごみ)! 別物として楽しんでます。
・韓の国の遺跡に閉じ込められたシーンにて。 まだ知り合って間もない二人ですが、謙譲語で接してくる姫良さんに対し、水鏡ちゃんは、墨家は儒家のそういった礼節を最も厭い、自分も同意見だからと謙譲語をやめるように言います。 「以後你叫我水鏡,我也直稱你叫姫良。 這樣不必什麼上上下下的,煩死人了!(これから私のことは水鏡って呼んで、私もあなたをそのまま姫良って呼ぶわ。 こんな不要な上下の区別なんて、いらいらする!)」……こういうはっきりした所が彼女らしくて好きなので、このシーンは何とも痛快でした。 それに対し、水鏡ちゃんの意思を尊重しているけど少々頭が固い姫良さんとの対比……というか、少々ずれた会話が面白いです。 姫良さんはどの程度親しげに接して良いのか分からず、傍若無人な振る舞いやイチャイチャした態度がいいのかと尋ねて水鏡ちゃんに怒られ、結局、「礼(儒家における礼節)」の決まりの範囲内でいいのかと尋ねてしまう辺り、頭が固いというか極端というか……彼のこういう所も可愛くって好きです。
・上記の続きで、初めて天書内に入ったシーンにて。 桃花咲き乱れる美しい風景だけれど、植物以外の生き物が全くいない……水鏡ちゃんと姫良さんの二人きり。 そんな時、姫良さんの冗談に過剰反応する水鏡ちゃんがメチャメチャ可愛いです! ちなみにその冗談とは、「若擔心餓肚子,倒是不必……因爲這裡的山水産物都可以食用。而且連屋子也有,若要避寒暑、繁衍後代,也都不成問題。(もし空腹の心配をしているなら意外にも必要ないよ……ここの山や水から採れるものは全部食べられるし、しかも長屋まであるから、もし暑さ寒さをしのいだり子孫を増やしたりする必要があっても、全く問題ないよ)」というもの(笑)。 水鏡ちゃんは思わず姫良さんを殴ってしまいます(笑)。 その後、水鏡ちゃんは長屋に入れば「怎麼偏偏是跟他……?(どうしてよりによってあいつと添うの……?)」と頭を抱えて座り込んでしまったり、天書から出たは良いものの、外から入って来た屈嫺姉さんの不注意で再度遺跡内に閉じ込められては「加上師姊,這樣他豈不享齊人之福?(姉弟子が加わったら、まるであいつは齊人之福って事になるんじゃないの?)」と考えてしまったり……。 リアクションも大きいし、泣いたり真っ赤になって怒ったり、何より姫良さんを思いっきり意識してて……水鏡ちゃん純情でホント可愛いですよ、もう。(ちなみに「齊人之福」とは、妻がいるのにさらに妾を娶る男性を皮肉った言葉です。 出典は『孟子』。)
・この作品、『史記』などの歴史書の記述に基づくイベントが結構あるんですが、洛陽に入る際の人助けイベントが、まさか項伯さんを助けているものとは全く気付かず、後で思いっ切り笑ってしまいました(笑)。(項伯さんも歴史上の人物です。 詳しくは『史記』などを読んでみて下さいね。)
・水鏡ちゃんが可愛いシーンその2。(別名ラブコメ風味その2・笑)。 洛陽で、姫良さんの父の友人に逗留先を知らせる役目を買って出る水鏡ちゃんですが、完全に物見遊山の気分です(こういう所も可愛い)。 そんな彼女をたしなめるかわりに、姫良さんは「為了避免別人起疑,妳們對外説是我的妻妾就好。(他人に怪しまれないように、あなた方は外では私の妻妾だという事にすると良いですよ)」と提案して、水鏡ちゃんにまた殴られます。 この時の水鏡ちゃん、ムキになってて可愛いです。 結局、屈嫺姉さんの意見で姫良さんの提案に従う事になるのですが、このイベントが終わってから姫良さんに話しかけると、「怎麼了,娘子?(どうしたの、妻よ?)」と聞いてきます(笑)。 案の定、水鏡ちゃんに「你乖乖的坐著吧!(おとなしく座ってなさい!)」と、また殴られるのですが、彼の返事は「是,娘子。(はい、妻よ。)」 懲りない人だ……。 本当に冗談なのか、ノリノリで言ってるのかが気になるところです(笑)。 それにしても……たとえ事実でないにしても、彼自身は彼女たちが妻や妾だと思われても困らないのでしょうか……?
・何だかふざけた事ばかり書いているので、ちょっと真面目な事も書いておきます(笑)。 この作品に限らす、歴史伝奇的台湾ゲームをプレイしている時に結構感じるのですが、登場人物の主張や行動がはっきりしていて、爽快です。 また、しっかりとした倫理観や、中国古典の思想を踏まえた発想や問題提起がバンバン出てきて面白いです。 これらの面からは、(私の場合)それまで漠然と考えていた事をしっかりとした形にするためのヒントをもらえる事が多いです。 だから余計に台湾ゲームが好きなのかも知れません。 今回は、墨子の思想「兼愛非攻」がそれでした。 もちろん、最終的には自分自身の思考によって確固たる形にしなければならないのですが、ヒントがもらえるだけでも、かなり有り難いものなのです。
・ストーリーとは全く関係ありませんが、大宇(Softstar)さんのプロダクトデザイン(いわゆる製品デザイン)って、本当に素敵です。 この「軒4」も、パッケージデザインのみならず、ディスク(CD4枚組)のデザインも、シンプルにして格調高く、ゲームのイメージ作りに一役買っています。 説明書のデザインも素敵。 これまでに持っていた「軒轅劍」シリーズ作品は精装版(いわゆる豪華版)ばかりだったので知りませんでしたが、精装版のみならず、通常版や廉価盤でも手を抜かない姿勢は本当に素晴らしいです。 購買意欲をそそられるーー!(笑) 大宇さんには、恐らくセンスと実力を兼ね備えた良いデザイナーさんがいらっしゃるんでしょうね。 もちろん、ゲーム画面のデザインもシンプルで格調高い美しさで、とても好きです。 これで操作性がもう少し良かったら……、おっと、批判的な意見はまた今度という事で。
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